2009年2月25日水曜日

20.オンドル その2

床暖房のよさは枚挙に暇がありません。
室温を20度に設定するということは、外気温との温度差も少ないということ。すなはち、結露もしにくい。たとえば、ファンヒーターやストーブを室内で燃焼させると水蒸気が発生するので、部屋の隅や家具の隙間など見えないところにカビが発生する原因となります。ほんとうは建物のためには多少乾燥気味の方がいいのですが、人間にとってはどうでしょう。そうでなくても空気が乾燥する冬の季節に温風を送り込む暖房は快適とは言えないでしょう。

進化したオンドルは補助暖房なしで十分に部屋を暖めてくれて、加湿器かそれに替わる洗濯物と、観葉植物等の水遣りで適度な湿度を保てばいいのです。また、小さな子供のいる家庭にとっては、安全で、しかも衛生的で、部屋全体を広く使えるというメリットもあります。韓国の住宅では、比較的日本より寒いこともあってマンションも含めほとんどの住まいにオンドルが採用されています。一軒の家でもオンドルのない部屋は押入れ部屋か屋根裏部屋くらいですから 当然、寝室もオンドルです。ドラマでもよく薄い敷物に薄い掛け布団が出てきますね。
オンドルは10月半ばから4月半ばまで約半年使うわけですから、生活には欠かせないものと言えそうです。日本の住居が蒸し暑い夏をしのぎやすくすることを基調に考えられたとするなら、韓国のそれはまさに厳寒の冬を中心に考えられたということでしょう。ここにも、似ていて違うお国がらがでていますね。

2009年2月15日日曜日

19.オンドル

理想的な暖房方式である床暖房は、日本でも新築住宅や老人ホーム等を中心に広く普及してきました。実はこの床暖房のルーツがオンドルであることはよく知られています。韓国ドラマの薯童謠(ソドンヨ)で湿病(スッビョン)の流行のとき開発したように出ていました。

オンドルのオンは温ドルは石のこと。石を温め、熱せられた空気を運ぶ空気層を土間と床の間に造ることで頭寒足熱の床暖房が完成しました。しかし、この方式ではひび割れ等で空気が漏れると部屋にガスが入り込み一酸化炭素中毒など危険が伴っていました。現代の暖房システムで空気を暖める方式はエアコンが代表的ですが、暖かい空気は上に昇る性質があるので、暖房としてのエアコンは私は苦手です。

床を温めるオンドルは温水方式、電気方式という形で現在の住居に広く普及しています。
理想的な床暖房は床の表面温度を30度くらいまでに押さえ建物の気密性をよくして室温は19~20度程度で常時保たれるように設計すること。室温20度で冬中暮らせる。これってエコですよね。
しかも熱源は室外にあるので室内の空気はクリーンで安全。風を送らないので埃もたまりません。遠赤外線の輻射熱方式の床暖房なら、室温以上の体感温度を得られまさに体の芯から暖まります。