2025年2月22日土曜日

612. 琵琶と琴と瑟


古代から日本に伝わる楽器を代表する琵琶と琴です

が、これらの楽器の共通点は弦をはじいて音を出す

ことです。そしてもう一つの漢字を見てもそれぞれ

に二人づつの王様が介在しておられます。この四つ

目の瑟という漢字は「おおごと」と読むそうです。

とても意味深な漢字のパレードです。琴は伽耶琴が

有名でまさに伽耶国の楽器が日本に伝わった模様で

す。琵琶と琴で奏でる音楽からは、王の出現を慶び

歌い踊る様子が手に取れるようです。

https://han-guru.blogspot.com/2012/07/186in.html


2025年2月12日水曜日

611. 獅子と狛犬とヘビ


先日、伊勢大神楽の一行が私の住む集落に来てくだ

さいました。獅子と狛犬についてずっと腑に落ちな

いことがありました。以前このブログで狛犬は高麗

犬のことであると書きましたが少し訂正します。

神社では2体が対になって狛犬ともいいます。

獅子とは通常ライオンの事を指しますが、獅子舞に

於ける獅子は麒麟と同様想像上の動物で、狛犬と並

んで神社の向かって左側に鎮座しているものもあり

右側の狛犬と共に阿吽の表現をしています。こちら

の狛犬は朝鮮半島の北部に生息するサプサル犬がモ

デルで、高句麗のことを高麗と表記し、コマと発音

したりします。高麗尺がその例です。しかしながら

狛と書く時、必ずしも高句麗には非ずです。

古代の朝鮮半島南部には三韓(馬韓、弁韓、辰韓)

があってそれぞれ百済、伽耶、新羅という国家体制

が出来たが、伽耶はいくつかの部族に分かれており

大伽耶(高霊伽耶)、金官伽耶、阿羅伽耶等に分か

れていた。高句麗の南下により圧迫を受けていた百

済と新羅がそのはざまに位置する伽耶諸国を奪い合

う中、任那という名で足がかりを持つ大和朝廷が、

物部荒甲をして調停に入った。新撰姓氏録によると

渡来人の始祖は、百済国人、高麗国人、新羅国人、

任那国人、韓国人などとありますが、この韓国人が

からくに人で加羅(伽耶)諸国の人たちです。瀬田

の唐橋とか唐崎とか唐国とか言っていますが、ほぼ

加羅です。任那は安羅国で、福井県敦賀市にはつる

があらしとを祀る気比神社があり、塩津深坂古道を

越えて琵琶湖に入り近江の各地に居を構えました。

私の住む甲良町も高麗尺3間で建てられた国宝第1

号西明寺本堂があることから、おそらく高句麗から

の渡来人が住み着いたのではないかと考えておりま

したが、高麗尺の建物は当時は朝鮮半島全土でその

遺跡の礎石から確認されており、高麗国人が建てる

必要はありませんでした。

大伽耶の中心が高霊(コリョン)ということである

なら甲良、高良、高霊はつながってきます。トレセ

ンのある栗東市の高野神社など、鋳物師の郷として

馬具甲冑にいたるまで鉄の技術を伝える伽耶の伝統

をも受け継がれています。弁韓から来た渡来人が琵

琶湖に浮かぶ竹生島に都久夫須麻神社を建て弁財天

を祀ったことが理解できます。今年は乙巳年です。

ブログNo.606